こんにちは、勝後とくにです。
私は2017/01/25にYoutubeに「千と千尋の神隠し 幻のエンディング」をMinecraftで再現した動画を投稿しました。
この度、その動画が300万再生を達成したことを記念し、特別企画として幻のエンディングの真偽など、私が動画を管理してきて得た考察を書き連ねていきます。
3年かけて蓄積されてきた2000件以上のコメントに全て目を通してきた投稿者としての視点で幻のエンディングを紐解いてみましょう。
2ch掲示板に投稿された書き込み
全ての始まりは2014年に2ちゃんねるに投稿されたひとつの投稿でした。
この書き込みに共感した人たちが多くいたため、2020年現在でも都市伝説として語られています。
1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 09:32:46.04 ID:R2BYzI01K.net
多くの人はトンネルから抜けだし髪留めがキラリと光り車を走らせて物語は終わり。だと思っているでしょうが本来この後には続きが存在します。ちなみに映像化、アフレコもされており公開当時映画館でも一部で実際に流されていました。
現在何故以下のラストシーンが無かったかのように扱われているかは謎である
- 千尋が車の中で来る前に着けていた髪留めが銭婆から貰った髪留めに変わっていることに気が付き不思議がる(何故かは覚えていない)
- 新居に向かう途中、丘から引っ越し業者が既に到着しているのが見え母親が「もう業者さん来ちゃってるじゃないのー」と父親に怒る
- 新居に到着後、引っ越し業者の1人から「遅れられると困りますよー」と注意される
- 千尋が1人何気なく新居の周りを歩いていると短い橋の架かった緑ある小川があることに気付く
- 橋から川を眺めていると千尋は一瞬ハッと悟ったかのような状態になりこの川がハクの生まれ変わり、新たな住み処であることに気付いた?かのように意味深に物語が終わる
以上が千と千尋の神隠し本来のラストシーンです。今回の地上波放送でもこのラストシーンが流れることは恐らく無いでしょう
結論:幻のエンディングは実在しないと思われる
幻のエンディングは恐らく、存在しないと思われます(現時点では)。
そう考えるに至った事例を示していきます。
「この映像を持っている」というコメント
これまで5回ほど、コメント欄でこのエンディングが入っているDVDを持っているという内容のコメントがありましたが、いずれも実際に証拠を示すことはありませんでした。
持っているというコメント後のパターンとしては、
- 「確認してみたら見つからなかった」2件
- 音信不通(その後、繰り返しDVDを持っている発言をする)2件
- Syamuさんの動画のリンクを証拠と言って再生させる釣り 1件
の3つに分けられます。
実際に動画が見つからない限りは、結果的に見つからない事例の数が多いほど、幻のエンディングは存在しない可能性が高まっていくと言えるでしょう。
アンケートの結果
幻のエンディング動画で、300万再生を突破した方にはアップロード当初からYoutubeのアンケート機能を設置しています。
アンケート機能に回答してくれる方はかなり幻のエンディングに関心がある方なので、割合としてはあまり参考になりません。
しかし、幻のエンディングがあったと記憶している方が少なくとも○千人いるという点では参考になるかと思います。
実際に、アンケートの結果は以下のようになりました。(2020/03/28時点)
幻のエンディングが記憶にあるのは6466人と、実はそれほど多くの人の記憶にあるわけではないということがわかります。
公開当時に見ていないという項目が34%とかなり大きいのはYoutubeを視聴する年齢層が若いからでしょう。
ただ、映画館で見たことはなくてもDVDの視聴で幻のエンディングを観たというコメントもあったので、映画館で観たかどうかはあまり関係ないと思われます。
幻のエンディングの真偽の参考には直接的にはなりませんでしたが、データとして見れる唯一の情報なので興味深いとは思いました。
「一週間限定で公開された」「DVDにはあった」という情報の確度の低さ
このエンディングは1部の映画感のみ、かつ一週間限定で公開された、という情報も出回っています。
また、人によってDVDの初期版・ビデオテープ版などの初期版には幻のエンディングがあるという主張もあります。
まずDVDやビデオテープに収録されているという主張は、現在まで幻のエンディングの映像が証拠として出なかったことからほぼ確実に誤情報であろうと思われます。
「1部の映画館のみで上映」「一週間限定で公開」というのも、どちらにせよ他の映画で聞いたこともない手法です。
そのような可能性はとても考えにくいでしょう。
せめて「試写会でのみ上映し、評判が悪くカットした」の方が頷けるところですが、ファンの多いジブリのそういった裏話が仮にあるなら、表に出てこないのは不自然です。
やはり腑に落ちるのは、「幻のエンディングは存在せず、記憶違いに辻褄を合わせるために考えられた話が一人歩きしている」といったところでしょうか。
「関係者が否定」の情報源もかなり怪しい
「幻のエンディングの存在は、映像配給会社(東宝)の関係者が否定している」という話もありますが、こちらもかなり怪しい情報となります。
恐らくニュース系のまとめサイトから広まったのだと思われますが、この一文以外の情報が一切なく、情報源がわかりません。
「映像配給の関係者」では定義が広すぎてどの程度確かなのか判断できないので、信頼性も足りないです。
そもそも幻のエンディングを否定する情報なら、スタジオジブリや収録に関わった声優さんなどのごく一部の出所を除き、「全容を知らないのだから、あなたが知らないだけなのでは?」とツッコミが入ってしまいます。
というわけで、「関係者が否定」の真偽はどうあろうと参考にならない情報だなと感じます。
幻のラストシーンとセットで語られるようになった「マンデラ効果」
集団で発生する記憶違いを説明するため、「マンデラ効果」という言葉で解説する風潮が生まれ始めています。
マンデラ効果とは端的に言うと、存在しないはずの記憶があることです。
マンデラ効果で幻のエンディングの記憶違いを説明することはできませんが、似たものは確かに感じます。
ジブリは傍観の構え
スタジオジブリは幻のエンディングについて、正式に発表したりすることは今のところ一切ありません。
こういったジブリの姿勢には色々な解釈ができますが、きっと
- 千と千尋に関する噂話なんてそれほど大ごとじゃない
- 話題になり続けることで作品の価値が高まる
- 作品の余韻として楽しんでほしい
といった気持ちなのではないでしょうか。
まとめ
『千と千尋の神隠し』に幻のエンディングがあるのか、3年この情報を追ってきた結果、幻のエンディングはおそらく存在しないだろうという結論に落ち着きました。
しかし、幻のエンディングそのものを否定するのではなく、まるで本当に存在したかのようなエンディングを楽しむのが正しい落としどころと感じます。
ジブリ作品に魅了されたからこそ、「こうだったらいいな」という願望が多くの人の中に共通した存在しない記憶を作り出しているとしたら、幻のエンディングも悪くないです。
そしてもし存在するのなら、いつか証拠が出てきて公表されるその日を待ち焦がれるのも一興だと思います。
引き続き、動画へのコメントや記事へのコメント募集してます。
Youtubeのコメント欄では返信は致しかねますが、Twitter等でのコンタクトは歓迎です。
コメント
コメント一覧 (3件)
>スタジオジブリや収録に関わった声優さんなどのごく一部の出所を除き、
はい。じゃあジブリ公式ブログは採用して下さいね。2002年12月13日に別バージョンは無いと断言しています。
http://www.ghibli.jp/storage/diary/000102/
わかりやすく言えば「ラピュタ」(1986)から「猫の恩返し」(2002)までの全ジブリ作品の中で別バージョンがあるのは「おもひでぽろぽろ」だけだったと公式に明言しているのですよ。
デマより13年前にジブリは答えを言っているのです。これで
「でも2014年デマ以後は正式発表できていないじゃないか」
「その公式ブログは千と千尋に別バージョンは無いとは断言できていない」
と言ったらそれはもう猿以下ですよ。
>スタジオジブリは幻のエンディングについて、正式に発表したりすることは今のところ一切ありません。
と書いて良いのは、この公式ブログの日付より後に作られた「ハウル」以降の作品に関してだけです。
公式ブログ拝見させていただきました!
これすごいですよ!今までYoutubeのコメント欄にたくさんの”情報源”が掲載されてきましたが、これほど確実な情報を見せて頂けたのは初めてです!
幻のエンディングの存在に関しては、できる限り中立に事実(に近いもの)ベースで発信していきたいと思っているので、ぜひ今後紹介させていただこうと思います!!
当時試写会が10万人規模でやってたので、そのバージョンです。
見たことある人は試写会に行ってるはず。