経営学部に進学した場合、就職先はどんな企業・職種・職業になるのでしょうか。
入学前からはなかなか見えない経営学部就職先の実態を、就活まで一通り終えた立場から解説します。
友人先輩後輩の就職活動・就職先もたくさん見ているから、あなたが経営学部に入って卒業するときに見える風景とかなり近いと思うよ。
経営学部出身者の就職先は「民間企業の営業職」が一般的
経営学部を卒業した人の就職先で一番多いのは、普通の民間企業に営業職で入社するパターンです。
ちなみに、文系学部ならどこの学部もだいたい営業マンとしてキャリアをスタートすることになると言われています。
「新卒で就職する文系大学生のうち、約7割が営業職になる」ということを大学の就職支援課の方も仰っていました。
大学には就職先が決定した際、進路届から職種や企業名を把握できるシステムがあり、実際の割合を数字で把握しているためかなり正確であると思われます。
営業職からキャリアをスタートして営業現場を知り、数年後に他の職種に配属されるといったパターンも多いので、ずっと営業職を続けるということは少ないです。
「経営学部は営業マン」と聞いて魅力が薄いなと思われたかもしれませんが、実は収入的には平均的に文系トップクラスであると言われています。
経営学部の卒業生は文系トップクラスの高収入になる可能性が高い
ベネッセが運営する新卒就活サービスのdodaによると、各学部の平均年収で経済・経営・商学部の平均年収は文系学部で最も高いというアンケート結果が出ています。
出身学部別の平均年収ランキング(30代)
1位 医・歯・薬学…506万円
2位 理・工…495万円
3位 経済・経営・商…480万円
4位 法・政治…476万円
5位 情報…471万円
6位 農・獣医・畜産…423万円
7位 教育…416万円
8位 スポーツ・健康科学…407万円
9位 国際…402万円
10位 社会…394万円
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11位 文・人文…389万円
12位 芸術…383万円
13位 環境…382万円
14位 外国語…376万円
15位 看護・保健・福祉…353万円
16位 観光…340万円
17位 家政・生活科学…322万円
18位 心理…290万円
まいにちdoda – あなたの出身学部は何位? 学部別の平均年収ランキング
経済・経営・商学部は扱う範囲がビジネス系統で近く、大学によって同様の講義内容の切り分け方が違うため、一括りにされることが多いです。
例えば、経済学部経営学科(上智大学 etc)としていたり、経営学部マーケティング学科(東洋大学 etc)としている大学もあります。
学部別年収比較アンケートで経済・経営・商学部が高水準となった要因はいくつか考えられます。
具体的には、以下のような事柄が関係している可能性があります。
- 営業系職種に就職する人が多いから
- 人文系学科で取得できる資格系職業の年収が低いから
- 就活の段階でコミュニケーション能力を重視する企業が多いから
詳しく説明していきますね。
経営学部から営業系職種に就職する人が多い
経営学部の卒業生は営業マンになる人が多いのですが、営業系職種の給与は他職種に比べて高水準になっています。
営業職は多くの人数を募集する傾向があり、一般にきついと言われていることもあって、基本的に就活生の志望度は高くありません。
そのため、営業職には営業手当などの給与割増を行っている企業が多く、結果的に給料が良いです。
僕は企画職志望で就活したけど、企画系は人気あるわりに必要人数が少ないからか、就職難易度高いわりに給料は自社の営業さんに比べると低かったです。
営業になると給料がいいことがわかりました。では、なぜ他の学部と給与面で差が付くのでしょうか。
大学で取得できる教育学問系の資格職業の年収が低い
現代社会の問題として扱われることがあるように、多くの大学で取得を目指せる資格系職業の年収が低いという状況があります。
教職員、看護師、カウンセラー、図書館司書、学芸員など様々な資格を大学在学中に取得し、その専門職に就くことができますが、給与が低いと言われたり、労働環境が悪いと言われることが多いですね。
大学で取得できる資格の中でも、弁護士、会計士、税理士など高収入を得られる資格も存在しますが、会社員より待遇のいい資格系職業となると、ほとんどがビジネス系の資格になってきます。
ビジネス系じゃなくて好待遇といったら医者とか、専門学校出てパイロットや医療系専門職が主になってくるかと思います。
大学で何を勉強するか自体が大きく収入を左右するわけではないですが、どんな世界に繋がっているのかという点では、経済・経営・商学部のようなビジネス系学部の方が、やはり「お金」に直結しているという相関を感じます。
就活の段階でコミュニケーション能力を重視する企業が多い
「日本企業は、大学でどんな勉強をしたかよりも、若くてコミュニケーション能力がある人材を欲しがっている」という話はよく語られます。
経済・経営・商学部はいわゆるウェイ系(イケイケグループ)の割合は実際多く、サークル活動や飲み会に精を出している人が多いです。
営業職適性の塊だと言えます。
そんなコミュニケーション能力の塊の彼ら彼女らが就活で有名大手企業に入社していき、ビジネス系学部としての年収引き上げの一員となっているのかもしれません。
経営学部生には、会計士や税理士を目指す人もいる
多くの大学で経営学部内に会計知識を学ぶコースが設置されています。
そのため、経営学部にいながら難関資格勉強に励む人もいます。
ただし、これらの資格は合格すれば20代から1000万円近い高収入を狙える難関資格だけに、合格者は少ないため「経営学部なら会計士や税理士でしょ」とは言えません。
人数は少ないですが、経営学部から難関資格を取得して企業経営の中心に携わる人もいます。
経営学部の知識は、就職活動に活きるのではなく、就職してから活きる
大学4年間で勉強した知識があっても、就職活動のときに良い企業に就職する手助けにはなりません。
しかし、経営学部はビジネスに関係する知識をバランスよく勉強できる学部のため、就職した後に「仕事に悩みがあるんだよな」という時、何を勉強すればいいかわかるようにはわかるようになれます。
ビジネス系知識の入門くらいは全般的に抑えているので、どの勉強の先に解決策があるかわかります。
- 経営学を勉強するとどうなるのか
- 自分は経営学部に入るべきなのか
などに興味がある方は、こちらの記事で徹底的に解説しているのでぜひ参考にしてみてください。