SoftBankによるデータ通信量の規制要請
2021年3月23日13時頃、私が契約しているChatWifiからメールにて、「通信制限基準を月間50GBまで引き下げる」旨の連絡が来ました。
この決定は回線元の命令によるものだと記載されているので、SoftBank回線を利用した月間50GBを上回る通信量が可能なポケットWifiやSIMだけプランでは、全社で一斉に改悪されてしまうものと思われます。
FujiWifiの対応
これに対し、FujiWifiでは回線提供元会社であるSoftBankの一方的な優先的地位の濫用だとして、顧問弁護士と共に講義を行なっています。
レグルス会員・FUJIWifiユーザーの皆様へ
平素はFUJI Wifiをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。2021年2月17日、ソフトバンク株式会社(以下、同社とする)から2021年5月よりデータ通信料の値上げ要請がありました。
FujiWifi – 2021年5月ソフトバンク回線の一部の利用者におけるサービス停止の可能性について
これらの価格提示はFUJI WiFiユーザー様への現在のサービス価格を著しく上回る内容となっており、このままでは同条件でのサービス維持は困難となることが予想されます 。
同社の弊社に対する要請は、優越的立場の濫用であり、弊社ユーザー様へのサービス維持のためにも到底受け入れがたいものです。
弊社といたしましては、弊社FUJI WiFiサービス継続のため、弊社顧問弁護士より抗議を行っております。
引き続き、同社へ合理性に乏しいと思われる強硬的な値上げへの抗議を続けるとともに、FUJI Wifiユーザー様へのご利用環境を継続するため、監督官庁へも申告し、是正を求めて対応していく所存でございます。
なお、一部の契約につきましては、同社の指定する期日が非常に短期間の為、やむを得ずサービス停止をせざるを得ない可能性があります。
サービス停止となるお客様には、個別にご連絡をさせていただく可能性がございますため、何卒ご了承ください。
また、同社より2021年1月27日付けで、弊社が電気通信事業における代理店届出を行なっていないことを理由に、弊社との全ての契約を2021年3月31日を以って解除する申出がありました。
しかしながら、弊社はサービス始業時に電気通信届出を既に行っており、令和元年10月1日の法改正を受けまして、販売代理店届出制度に則り、同代理店届け出を同じく済ませております。
同社へは事実誤認である旨を内容証明書にて送達したところ、 誤認を認め代理店解除を行わない旨の書面が2月18日付けで弊社へ通達され、解決に至りましたので、併せてご報告させていただきます。
上記の経緯からも、弊社の保有する回線全てのサービスを事実上排除したいという意向を同社が有していると考えざるをえません。
繰り返しになりますが、弊社としてはFUJI WiFiサービス継続のため、力を尽くす所存ですので、何卒ご理解ご支援のほどよろしくお願いいたします。
FujiWifiからの声明上、Webページからは具体的にどのような措置を行うかについて記載は確認できませんでした。
SoftBankからの一歩的な通達に対し、「優先的地位の濫用」を主張することでそもそも決定を受け入れない方針に感じられます。「優先的地位の濫用」は事業において有利な交渉権を持つ事業者が不当に不利益を与える行為を指し、独占禁止法では不公正な取引であると定められています。
詳しくは公正取引委員会のHPにて確認できます。
これまでのSoftBankの動きについてFujiWifiは、事業での必要資格がないといった誤認で代理店契約を解除しようとする動きがあったことから、FujiWifiの保有する回線を排除したいといった思惑が見えるとコメントしています。
ChatWifiの対応
FujiWifiが抗議の姿勢をとることに対し、ChatWifiはSoftBank側の要求を呑む方針であるように見受けられます。
2021年4月1日以降、順次50GBに変更が加えられることを受け入れており、2021年3月23日 現在、それに伴って値下げを行うなどの措置はアナウンスがありません。3月中に解約する場合のアナウンスはされており、このまま事業を縮小していく動きも想定できそうです。
今後のSoftBankの動き
FujiWifiなど、下請け事業者の抗議によって公正取引委員会がどのように対応するかによって今後の動きが決まってくると思われます。
これまで、「SoftBank回線を使って大容量データ通信がお手頃価格で可能だった状況の方が不思議」という見方もあり、SoftBankからすればあまり利のない取引をしていたと言えます。
SoftBankと大容量データ回線提供事業者がWIN-WINの関係とは言い難い状況にあることが、通信量規制要請によって露呈してきたので、間近の動向はどうあれど、今後のSoftBank回線を使った大容量データ回線は縮小していくと考えられます。
乗り換え先となる代替品について
FujiWifiやChatWifiなど、SoftBank依存のサービスの代わりに利用できるものとして、クラウドSIM対応のサービスが有力になると考えられます。
クラウドSIMとは、スマホ通信に利用されるdocomo,KDDI,SoftBankなど、それぞれの電波帯から最適な電波を自動的に選んで通信するSIMのことです。SoftBankに依存しないため、今後も安定して利用できそうです。
大容量通信が可能なクラウドSIMを提供している事業者として、検討対象になりそうなのは以下3社でした。
- クラウドWi-Fi
- どこよりもWIFI
- ZEUS WiFi
簡単にそれぞれがどんな用途の人に適しているかまとめると、
縛り(解約金)なしがいい | コスパ重視で安く済ませたい | 100GBより大容量がいい | |
クラウドWi-Fi | ◎ | ◎ | △ |
どこよりもWIFI | 〇 | 〇 | ◎ |
ZEUS WiFi | × | △ | 〇 |
縛りなしプランなら【クラウドWi-Fi】
プランは月額3718円(税抜3380円)の1プランのみ。違約金・解約金はゼロ。
最低月間100GBの通信量使用を保証しているので、これまで100GBプランを利用していた人は問題なく利用できます。
100GBなら、迷ったらクラウドWi-Fiがおすすめできそうです。
↪︎ クラウドWi-Fiについて詳しく200GB対応の大容量なら【どこよりもWIFI】
どこよりもWIFIは価格改定により非常に使いやすくなりました。
縛りなしプランの場合、100GBを税込3900円、200GBを税込4900円で利用できます。
2年間の縛りプランの場合は、月額料金が500円割引になります。
さらに、これらの料金が従量課金制となっており、利用しない月(月間利用料5GB以下の場合)は月額1400円となります。
↪︎ どこよりもWiFiについて詳しく通信量不足になると困るなら【ZEUS WiFi】
ZEUS WiFiの特徴は、モバイルWiFiにはめずらしく容量の追加購入が可能な点です。
月間100GBプランが3828円(税抜3480円)で縛りあり と安くはありませんが、最小2GBから追加購入できました。
ただし、5GB以上追加する場合には約1000円かかることになるので、その場合はどこよりもWIFIの200GBプランを利用した方がお得になります。
どこよりもWIFIと同様に、縛りありのプランが前提となるプラン設定でした。
↪︎ ZEUS WiFiについて詳しくまとめ
今後、SoftBank回線を利用した大容量データSIMは、SoftBankに嫌われることで不遇な状況になっていくと思われます。
固定回線を引かずに大容量通信がしたいという需要があるのは(自分がその1人だからこそ)わかるので、今後その役割を引き継ぎそうなのはクラウドSIM系のサービスになりそうだ。というようにまとめさせて頂きます。